鼻尖縮小術+耳介軟骨移植+I型プロテーゼ　術後1.5ヶ月の経過

東京皮膚科・形成外科　鍼灸師　奥富行

鼻尖縮小術+耳介軟骨移植+I型プロテーゼ　術後1.5ヶ月の経過

2020 . 8 . 28

２０代女性、鼻先のボリュームを減らしつつ斜め下に下げたい、鼻筋を高くしたいと希望されモニターさんです。

上記は術前写真です。元々鼻の形が整っている方ですが、さらなる美を追求されておりオープン法での鼻尖形成+耳介軟骨移植+プロテーゼによる隆鼻術を行いました。

【鼻尖形成術】

上図のように鼻柱を切開してオープン法でアプローチします。

①大鼻翼軟骨(鼻先の軟骨)を周囲組織と分離(scroll ligament、nasal hinge complexの分離、膜性鼻中隔の部分分離)後、大鼻翼軟骨の頭側を部分切除(cephalic trimming)し内側脚、ドーム間、中間脚縫合し鼻先の土台を再建。

②大鼻翼軟骨間に存在している皮下脂肪を移動させ鼻尖部のボリュームを減量。

➂皮膚自体の分厚さを薄くし過ぎると血流障害のリスクが高まるため皮膚の厚みは変えません。その変わりに鼻先にほど良いサイズの軟骨を移植して高さを出すことで皮膚の分厚さを緩和します。アルマジログラフトと言って軟骨膜付きで軟骨間に割れ目を入れて鼻先にフィットしやすいように細工します。軟骨をそのままの形で鼻先に移植すると経年変化で、皮膚側に軟骨の輪郭が浮き上がるリスクがありますが、この方法だとその心配はありません。今回は２枚の軟骨を使用しました。また鼻柱内側脚には耳介軟骨の一部を挟み込み強固な土台を再建しています。土台がしっかりしていると鼻先に移植された耳介軟骨は下床の軟骨を押しつぶす事無く、移植した軟骨分の高さが皮膚側に反映されるため鼻先に高さを出すのに効果的です。

鼻尖形成に関してはクローズ法でアプローチを行う場合もありますが、上記処置をしっかり行うには限界があります。切開法は傷跡が残る事を危惧される方もいますが、術後半年もすると目立たなくなります。特に当院のように形成外科専門医が在籍している美容クリニックでは限りなくゼロに近い傷跡まで近ずける事が可能です。切開系の手術は形成外科専門医にお任せ下さい。

【隆鼻術】

・鼻筋を高くするには

ヒアルロン酸、G－mesh、プロテーゼ、ゴアテックス等が選択枝として挙げられます。モニター様の希望で半永久的でしっかりした変化をつけたいとの事で、今回はシリコンプロテーゼを選択しました。

鼻手術の場合、腫れが取れるまで約３ヶ月かかります。下図は術後１カ月半の経過です。

今が結果ではありません。ダウンタイムの参考にしてください。