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東京皮膚科・形成外科 歯科医師 櫻井千春

櫻井千春ブログ

歯科医師櫻井によるブログです。歯やお口のことだけでなく、美容や健康についての様々な事をご紹介しています。

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歯周病について

 

 

 

今日は

「歯周病の恐さ」についてお話致します。

 

歯周病の特徴は、見た目にははっきりとした変化がないので、自分自身で気付きにくいという事です。

 

なので、なかなか自ら進んで治療を開始したり、予防をすることがまだ一般的に行われていない様に感じます。

 

このように何も予防や治療をしないでいると、初期・中期には痛みをあまり感じることがない為、症状がどんどん進んでいってしまいます。

 

痛みや腫れの症状が出てくるのは末期になってからで、それまではほとんど自覚症状がないので、

気付いた時には歯周病がかなり進行してからというケースが大半です。

 

これが歯周病の最大の特徴で、また一番恐いところです。

 

 

ところで

実際に歯周病とはどのような病気なのでしょうか???

 

少し詳しく見ていきたいと思います。

 

 

まず健康な歯です。

IMG_8366

歯は、歯槽骨といわれる骨に支えられています。

歯と歯ぐきの間には歯肉溝といわれる浅い溝があります。

 

 

Ⅰ 初期段階・・・歯肉炎

歯肉(歯ぐき)のみに炎症が起きている状態です。

IMG_8367

歯肉が腫れてきて、歯の周りに歯周ポケット(仮性ポケット)と呼ばれる溝ができ、歯垢(プラーク)がたまりやすくなります。

☆チェックポイント☆

○歯みがきの時、歯ぐきから血が出る
歯ぐきに炎症が起こっています。これは歯と歯ぐきの境目に歯垢(プラーク)が付着したまま時間が経ち、歯垢に含まれる細菌によって炎症が起きたものです。
歯みがきの時、歯ぐきが痛む
歯ぐきの炎症が広範囲に広がり、重症度が増しているからです。さわると痛みがあるので歯垢が上手く除去できず、ますます悪化することになります。
○朝、口が粘かったり臭かったりする
歯ぐきの炎症が強くなると目では見えないところ(歯と歯ぐきのすき間)に膿が溜まってきます。その膿が自然に口の中へ出てくるため、臭いがしたり、ネバネバした感じになります。

 

 

 

ここでは歯周病の初期段階の症状です。

プラーク(歯垢)が付着して歯ぐきだけに炎症がある程度なら、正しい方法で歯みがきをすれば治ります。

 

歯科医院へ行って、ご自身の歯の状態に合った最適の歯みがき法を教えてもらいましょう。

 

 

Ⅱ 中期段階・・・軽度歯周炎

軽度歯周炎
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炎症が内部に広がり、歯と歯の間に深さ3mmほどの歯周ポケット(真性ポケット)が現われます。

そこにたまった細菌は毒素が強く、歯の周りの組織(歯周組織)に炎症が進みます。

アゴの骨の歯の付け根の部分(歯槽骨)の破壊がだんだんと初まります。

 

☆チェックポイント☆

○歯ぐきが時々腫れる
歯ぐきの炎症が強くなれば、歯ぐきやその内側の組織に膿が溜まってくるので、歯ぐきが腫れて見えます。痛みを伴う場合とそうでない場合がありますが、自然に元に戻るときもあります。
○歯が少し動く
歯は骨の中にしっかりと植えられていますが、歯ぐきの炎症がどんどん進んでいくと歯ぐきの内側にある歯を支えている骨も溶かされていきます。そのため歯が動くようになります。
○歯と歯の間に食べ物がよくはさまる
歯は健康な状態では、隣の歯と正しい位置関係で接触しています。1本でも歯が動くようになると隣の歯との接触関係が変わるため食べ物がよくはさまるようになります。

 

 

 

歯周病の中期段階の症状です。歯科医院で正しい歯の磨き方を教えてもらい、歯周ポケット内に付着している歯石や歯垢(プラーク)を器械を使って除去してもらいましょう。

 

Ⅲ 後期段階・・・中程度歯周炎

歯周ポケットが4~6mmとさらに深くなります。歯槽骨も1/3~1/2ほどが破壊され、歯がグラグラしてきます。

 

 

☆チェックポイント☆

○固い物が噛みにくくなった
固いもの(特にイカ、タコ、漬物、パンの耳等)は、かなり歯や歯を支えている組織に負担をかけます。歯を支えている骨が溶けて少なくなってくれば、その力を支えきれずに自覚症状として噛めない、噛むと痛いという形で表われます。

 

 

ここは歯周病の後期段階です。

歯周病がかなり進行しています。

いますぐ歯科医院へ行って歯石や歯垢(プラーク)を取ってもらいましょう。

場合によっては、歯ぐきを切る必要もあります。

 

Ⅳ 末期段階・・・重度歯周炎

重度歯周炎
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歯周ポケットが7mm以上にもなり、歯槽骨も1/2以上破壊されてしまいます。そのため歯の付け根がむき出しになり、その歯はやがて抜け落ちることになります。

 

☆チェックポイント☆

○歯の付け根が見え、歯が長くなったように見える。

 

こうなると、歯ぐきを切開して汚れを取り除く必要があります。場合によっては歯を抜かなければならないかもしれません。

 

また、降圧剤、抗てんかん剤の副作用が関係している場合は、歯ぐきの腫れた部分を切除します。

 

 

このように

歯周病は一度悪くなってしまうと、簡単には治ることはありません。
さらに重度の歯周病は何をしても治りません。

 

 

歯周病は「歯を支えている骨である歯槽骨が溶ける病気」ですが、この溶けてしまった歯槽骨を元通りにすることは、現在の歯科医療ではほぼ不可能なのです。

 

 

一応、失われた骨の回復を期待して「骨移植」なども行われてはいますが、全ての症例で十分な結果を得ることはまだ難しいという段階ですし、重症の歯周病の場合には歯を抜くしか選択肢がないということがよくあります。

 

歯周病に関して最も重要なことは、「歯周病にならないように予防をする」ことです。

 

「歯がグラグラしてきたから何とかして!」と歯科医院に来られても、もう手遅れで抜歯するしかないということが、本当によくあるのです。

 

「歯周病はとにかく予防!」だということを、ぜひ知っておいて下さい。

 

 

東京皮膚科 形成外科

0335458000

 

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