本音美容辞書【総院長ブログ】｜東京皮膚科・形成外科

昨日韓国からドクターチャンが来日されました。

研究会に来れなかった先生方のために内容をアップいたします。

 

２０１２年３月２５日　　　　　ドクターチャン　講演

 

今日は日本の有名な先生達と交流を深めれることに感謝いたします。

 

 

それでは、韓国および世界でのボトックス治療事情をお話いたします。

私は皮膚科専門医で、カンナム地区で開業しています。

ボツリヌストキシンは７タイプあり、商品化されているのはAとBの２タイプです。

 

 

世界規模では２０００億円の規模で現在拡大中。

世界では美容よりも治療目的で市場は拡大しています。

ところが韓国では８０％が美容目的で、市場規模は７５億円規模です。

 

韓国での美容医療はコンビネーション治療が基本になっています。

コンビネーションの中でボトックスは大きな比重を占めています。

過去にボトックスのコンビネーションは良くないと言われていましたが、

２００４年の報告から、ボトックスの効果はコンビネーションでも効果が上がると報告され始めました。

 

ボトックスは併用しても他の治療の効果を弱めることはありません。

副作用も少なく、安全性も確認されています。

それでは現在韓国で多く行われている治療をご紹介します。

 

韓国では小顔目的のボトックスが多く行われています。

理由ですが、ストレス社会で歯ぎしりをしたり、

固い物をよく食べることから多いのではないかと言われています。

 

小顔ボトックスは４週目から効果が出て来て、６ヶ月効果は続きます。

 

注入方法ですが、耳たぶと口角に線を結び、頬の部分の幅を決め４分割します。

その４分割した場所の後ろに位置に注入をします。

 

 

２番目は多汗症です。

こちらは日本の方が韓国より暑いので、患者さんは多いのではないでしょうか？

原因ははっきりしていませんが３分の２は男性です。

遺伝の関係も指摘されていますが、交感神経そのものの問題も指摘されています。

イオントフォレーシスとの併用も効果があります。

 

現在多汗症の治療をしてはボトックスがファーストチョイスと思います。

注入方法ですが、

脇の場合には片方５０ユニットを１０カ所から２０カ所にわけて注射します。

手のひらは１００ユニットを５ccに溶かしたものを３０カ所にわけて注射します。

手のひらの治療は表皮のみ、浅く行わないと手の筋肉が動かなくなるので注意が必要です。

 

 

 

３番目はイントラダーマルボツリヌストキシンです。

日本ではマイクロボトックス、韓国ではデモトキシンと言われています。

 

写真では効果は現れにくいけれども個人的主観では非常に効果があるという方法です。

 

注射方法ですが、１cmおきに注射をします。皮膚が引き締まり、しわは目立たなくなります。

ミッドフェイスリフティングにも効果があると論文には出ています。

１００ユニットを５から１０ccに希釈して使います。

メインと言うよりは補助的効果として治療を行います。

注射の内容の量を変えることによってリフティングの方向を変えることができます。

ただ、２０１０年にこの効果はトキシンの効果ではなく刺すことによる効果ではないかという議論も出て来ました。

 

次に足の引き締めです。

足は筋肉の形によって形が決まっています。

 

注射方法ですが

患者の状態により７０ユニット、多い時には１００ユニットの注射をします。

かかとをあげる時の筋肉に５カ所から６カ所注射をします。

最後に併用療法につきお話しします。

韓国で開発されたPDO（ショッピングスレッド）についてです。

こちらは非常に大きな皮膚収縮効果があります。

糸を入れることによって異物反応によりコラーゲンが出来て来ます。

糸を入れる深さによって効果は変わります。

トキシン治療と併用することによって効果はより大きく出ます。

 

 

その後銀座いけだクリニックのコンビネーション治療についてもお話しました。

とても有意義な勉強会でした。

関係者の皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

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