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東京皮膚科・形成外科 形成外科専門医 吉澤秀和

Dr. hideyoshi blog

瞼の手術は奥が深い④

 

皆さんコロナ疲れありそうですね。気を緩めずに3密を避けて、しっかりと防護を(伊達眼鏡でもいいので目からの侵入も注意して下さい!!)

大学病院での手術も軒並み緊急性のもののみとなり、非常勤で勤務している外来再診についても、直接お電話してコロナが落ち着くまで再診を延期のお願いのお話しをしました。患者さまにもご理解を頂き、自分の体調までご配慮頂きました。(涙)

 

直近の論文だとコロナは既に17種類まで進化しているようです(汗)。

 

今回は、眼瞼下垂手術の中でも挙筋機能が保たれているけど、余剰皮膚(たるみ)が増えてきて瞼が重い⇒頭痛、肩こりが起こってしまう様な方への症例に対して眉毛下皮膚切除術の症例報告です。

 

この手術は形成外科医にとっては特に難しい操作というのはないのですが、施術者のきめ細かな操作が肝で、何より傷が正面から見る手術なので丁寧な操作をしてくれる先生を選ぶべきだと思います!!

 

美容ブロガーのやさかのダメ♀ブログwさんの眉下皮膚切除術を行いました。

 

ブログでは、直後の経過を患者目線で報告してくれていますので是非ご参考にして下さいませ!!

 

 

 

まず、術前にシミュレーションで切除する皮膚切除量(幅)ですが、

ブジー(細い針金みたいな棒)を使用して、どの程度の皮膚が余分か、切除後のイメージをシミュレーションを行い確認します。

 

 

では、早速手術の流れを順番に説明します。

イラストはすべて以前投稿した論文(雑誌形成外科62(7):709~715. 2019に掲載)から引用しています。

Step1は皮膚切除です。

 

シミュレーションで決めた切除量を元にデザインを行います。局所麻酔は35Gのエンジェニードルを用いるので痛みは最小限です!!

眉毛の毛根を傷付けない様に毛包斜切開で温存しながら皮膚を切開し、電気メスで丁寧に止血しながら眼輪筋上の脂肪組織も含めて一塊に切除します。

 

Step2は眼輪筋タッキングです!!

眼輪筋とは、瞼を閉じる際に収縮する筋肉になります!(目尻のシワの原因の筋肉です!!)

 

実は、開瞼する動作とは拮抗する筋肉になるので、その作用を弱めてあげることで開瞼が少し楽になります!それが、『眼輪筋タッキング(肝の操作)』です。

 

吊り上げる方向は症例によって異なりますが、基本的には内側上方に吊り上げることが多いです。

 

Step3は真皮縫合です。

ここも重要な操作です。この手術は99%はここまでで結果が決まってくるのではないでしょうか?

 

真皮縫合の際もただ創縁同士を縫合するだけでは足りません!!

 

以前にで埋没法で二重を作っている人が特に注意で、目頭側に斜めのシワが出来やすくなるので、ここにも工夫が必要です。

 

睫毛側の皮膚を内側に回転させるイメージ(rotation flapという術式があるのですが、それを応用します)で少し内側にずらしながら真皮縫合をします。

Step4の表皮縫合です。

Step3まででほぼ手術は完成していますので、残りの微細な段差をここで合わせます。

透明な糸を用いますので、術後も黒い糸の様に目立ちません。(術後の生活で腫れを除いた場合にバレずらいですよね?)

 

自分の行っている手術の手順をStep1~4として分かりやすく書いてみました。

 

 

手術直後で多少の腫れがありますが、手術前に乱れていた二重が綺麗なラインになりました。

上方視(上を向いた時)も、余剰な皮膚を取り除いて眼輪筋タッキングしているので眉毛を動かさなくてもスムーズに見ることが出来ています。(術前に比べても黒目もスムーズに上転しています。)

 

今後も経過をご報告致します。

 

施術

保険適応での眼瞼下垂手術(その他)

【施術のリスク・副作用について

・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。

・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。

・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。

・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。

・手術直後は、つっぱりを感じることがありますが、2週間程度で改善していきます。

・手術当日は、洗顔をお控え下さい。

・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・手術後1週間(抜糸まで)は、切開部位のお化粧はお控え下さい。

・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

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