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東京皮膚科・形成外科 形成外科専門医 吉澤秀和

Dr. hideyoshi blog

存在感のない鼻を目指して-切開での鼻翼縮小編①-

 

今回は、鼻についての投稿です。

顔の中心に位置していますが、団子鼻の様に大きければ目立ってしまいますし、逆に短鼻の様に短く小さくても目立ってしまいます。

 

つまり鼻は顔のパーツの中で『目立たない存在になる』ことが重要なポイントではないでしょうか?

 

今回の症例は、30代の男性です。ご覧の通り鼻尖部の皮膚が厚く軟部組織も厚く、鼻翼が横に広がっていて鼻に存在感があります。

実は鼻という組織は年齢と共に支持されている土台の鼻を構成する上顎骨前頭突起と鼻骨でつくられる梨状孔が拡大してくるため、ほうれい線が顕著になり始め、鼻が横に大きくなってきてしまうんです(汗)(右図)。

 

 

 

有名な漫画家はそれを端的に表現していて、鉄腕アトムで登場するお茶の水博士や、コナンで登場する阿笠博士が良い例ではないでしょうか?

 

 

鼻翼幅は一般的に内眼角間距離(intercanthal distance; ICD)と等しいのが美しいとされています。それよりも鼻翼幅が上回ってしまうと鼻翼縮小の適応の1つは満たしてしまいますが、顔のバランスを考えて慎重に適応を決めています。

 

では、実際の症例で確認してみましょう。

 

30代、男性、いわゆる団子鼻(bulbous nose)で、鼻翼はあぐらをかいた様にalar flareが強い症例です。

 

団子鼻(bulbous nose)については、また別に書かせてもらいますが、この症例は鼻尖形成と合わせて鼻翼縮小を行いました。また、大鼻翼軟骨の上の外側鼻軟骨上の軟部組織の張り出しも認めていたので、必殺『accutite』をここでも使用しました。

 

鼻翼基部から鼻翼が外側に張り出している(あぐらをかくように)のをalar flareと呼びますが、この張り出しが大きいタイプの鼻のため、鼻翼の内外測切除および鼻腔底皮膚は脱上皮しました。さらに、鼻腔底の皮膚を脱上皮した後に上手く縫合閉鎖してきます。その際に、cinching suture(両側の鼻翼を引き寄せる方法)を追加することで、縮小させる力が縫合糸に依存するベクトルを減らし、さらに希望する幅に縮小することが容易になります。

この術式については、JAASのベトナムでのflesh cadaver実習に参加した際に、聖心美容外科の札幌院院長の前多先生が講師として参加されていた時にディスカッションした際に教えて頂いたデザインを元にmodifyしました。(その節は大変お世話になりました。PEPARSの最新号に掲載されているそうなので急いでAmazonでポチリました。(笑))

 

では、術後1ヶ月目の経過を見てみましょう。

 

 

ご覧の通り、鼻翼幅はICDとほぼ一致させました。

また、本症例は鼻柱が鼻翼よりも頭側にあるconstructed strutの状態で鼻翼がhanging alarとなっています。術前正面視では、ACR(alar columellar relationship;鼻翼と鼻柱の関係性)が上向きの三角形を形成しているのがわかると思います。しかし、術後を見て頂くとcinching sutureで鼻翼位置をある程度固定し、さらに鼻尖形成も行っているため、ACRが下向きの三角形に変化しているのがわかります。ACRが美しい形へ改善がみられていますね。

 

まだ多少腫れているものの、顔のバランスの中での鼻の占める存在感が薄らぐことで、見る相手が鼻への注意が向くことが少なくなるはずです。

傷跡についても気になるポイントの1つだと思います。この症例では外側まで全切開していますが、よく言われている傷跡は目立っていません。(上図4枚目)

 

鼻背部の外側鼻軟骨領域の脂肪については、accutite(RF assisted lipolysisの機器)の経過からすると、術後1ヶ月目からさらに引き締まりが起こってくるので、より目立たなくなってくるはずです。

 

経過は引き続きご報告しますが、次回は同時に行った鼻尖形成についても投稿したいと思います。

 

施術内容・料金

①鼻翼縮小(切開): 35万円(税別)

②切らない鼻翼縮小+オステオポール:28+12万円(税別)

③アキュタイト(accutite);鼻1か所:18万円(税別)

 

施術のリスク・副作用について

・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。

・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。

・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。

・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。

・手術当日は、洗顔をお控え下さい。

・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

・効果には個人差があります。また、部位によってはそれほど改善が実感できないことがあります。

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