美容外科 / 美容皮膚科　東京皮膚科・形成外科

あっという間に8月が終わってしまいましたね。

夏は満喫できましたでしょうか？

 

今回は、ぞくぞくと新しい治療法が増えてきていますが、 ８月に開催された自費研フェス２０１９で報告した 育毛治療に新しい治療法についてです。

 

 

その名も『Autologous Cytokine Rich Serum(自己血サイトカインリッチ血清)』で、ACRSと頭文字をとって呼びます。

PRP治療と同様に血小板からの成長因子やサイトカインを用いた治療法なのですが、大きく違うのは

①PRP治療は作成に1時間ほどを要します。

本質は、治療部位への血小板の細胞移植により、血小板が引き起こす創傷治癒の過程を人為的に作り、augimentationやskin rejuvenationに用いたり、育毛治療にも使われています。

②ACRS治療は血小板をガラスビーズに接着させてインキュベーション（恒温器で3時間）することで成長因子やサイトカインを徹底的に放出させた後の血小板などの細胞を除いた血清のみを用いるのがACRSになります。さらに、PRPでは放出されない抗炎症性サイトカイン（IL-1Ra）が豊富に存在し、治療をする上でのkey factorの１つとなります！！

 

ただし、PRPの血小板の細胞移植とは異なるため、２週間～４週間毎に最低４～６回を繰り返す必要があります。

 

そもそも老化現象とは、慢性炎症を繰り返すことで細胞分裂のサイクルが弱まっていくと考えられています。ですので、老化を予防するためには、その炎症を沈静化することで細胞分裂のサイクルを取り戻すことが可能となりました。

 

key factorのIL-１Raというと、実は英国では、膠原病（自己免疫疾患）の１つである関節リウマチ（RA)の治療薬として注射剤（アナキンラ）が販売されています。

 

さらに、炎症性サイトカイン（IL-1αや1β）が、毛包の成長阻害の原因の１つであり、IL-１Raを投与すると毛包成長が再び改善することが既に１９９６年の論文で報告されています！！

 

さらに、PRPに比べて成長因子の中でEGF（上皮成長因子）やFGF（線維芽細胞増殖因子）、IL-4（インターロイキン４）などがインキュベーションにより数倍～十数倍まで増殖することも確認されています。

 

PRPにおける育毛治療は当クリニックや様々なクリニックでも導入されている治療法の１つで、PRPが毛乳頭細胞を活性化することは知られています。

 

しかし、上記に示した様にPRPにはFGFはほとんど含まれておらず、PRPが毛乳頭細胞を介してFGFの産生を促し毛髪の成長に関与していると言われています。

 

 

＋αの症例も提示いたします。３９歳の男性です、

額（前額部）のシワの症例は、お恥ずかしながら、自分の前額部で試してみました。施術は水光注射で行います。本来なら、先に書いたように２週～４週毎に繰り返すことが必要ですが、１回施術での変化はみられるのか施術２週後に拡大して観察してみました。

 

すると、施術後は皮丘がはっきりとして、網目状の皮溝が鮮明になることが確認され、小ジワに関しては、若干目立ちにくくなっていることが確認されましたので、skin rejuvenationの施術としては効果があると実感しました。

 

今後も症例を重ねる必要はありますが、十分に効果を感じられる治療法の１つではないでしょうか？

これから、さまざまな用途にACRSが使用できると考えています。

 

興味がある方は是非カウンセリングにいらしてくださいませ。

 

 

【施術内容】自己血サイトカインリッチ血清療法

【料金】１回約４ｃｃ採取（水光注射で注入）、15万（税別）

【施術のリスク・副作用について】

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。

・施術後に、腫れや赤みを伴う場合がありますが、２～５日程度で改善していきます。

・施術直後より、洗顔・お化粧をしていただけます。

・施術日は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・稀に、感染する場合があります。その場合は、抗菌剤内服にて対応いたします。

・治療効果は、施術後から徐々に現れますが、個人差があります。

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