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東京皮膚科・形成外科 形成外科専門医 吉澤秀和

Dr. hideyoshi blog

瞼の手術は奥が深い③

 

『瞼の手術は奥が深い』の第3弾です。

雑誌形成外科の自分が担当執筆した頁から引用

 

大学病院時代から数多くの眼瞼下垂の手術を経験してきましたが、最近の方法について解説したいと思います。

 

形成外科医として瞼の解剖を勉強してきた一般的な解剖図としては、右図のような解剖図をよくみていました。

 

より詳細に研究をしている先生らの論文を改めて読むと、より手術が鮮明になり術後結果がより安定し時間の短縮につながる様になりました。

 

 

Anatomy of Upper Eyelidより引用

 

手術時間の短縮は、術後のダウンタイムにも影響を及ぼすために、術後の腫れの改善が以前よりも短くなりました。

 

右図はその眼瞼解剖を詳細に研究している先生らの論文からの引用ですが、眼瞼挙筋腱膜は実際には2層(浅層(AL)・深層(PL))で構成されていて、浅層(AL)は厚く硬い線維組織で構成され、深層(PL)は薄く伸展性に富む組織で構成されていることがわかってきました。

Anatomy of Upper Eyelidより引用

 

 

PLも挙筋腱膜なので瞼板に固定し直すことで改善を認めますが、不十分な症例が出てきてしまう可能性があるため、現在では、基本的にすべての症例でALを瞼板に固定するようにしています。

 

 左の右眼の解剖の写真のように、ALの外側にはlateral horn(LH)という硬い靭帯の処理も併せて行い眼瞼挙筋の筋走行を変えることが手術中で重要な操作の1つになります。

 

 

 

 『瞼の手術は奥が深い②』の症例の方で術後2週間でまだ腫れているDT中ですが、だいぶ落ち着いてきました。改めて術前から2週間の変化をお見せします。

 

 

頑張って眉毛挙上をして瞼を開けていた術前と比べて、術後は楽に開瞼出来ている事が、良く分かりますね!!

 

1週間毎に徐々にナチュラルになっていく変化を報告出来ればと思います。

 

形成外科医として、すべてにこだわりを持って日々精進していきたいですね。

 

【施術内容・手術時間】

眼瞼下垂手術(挙筋前転法)、保険適応、両目で約1時間30分

施術のリスク・副作用について

・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。

・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。

・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。

・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。

・手術当日は、洗顔をお控え下さい。

・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

・効果には個人差があります。また、部位によってはそれほど改善が実感できないことがあります。

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