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東京皮膚科・形成外科 形成外科専門医 吉澤秀和

Dr. hideyoshi blog

傷跡の修正について③-scar revision-

 

連日コロナウイルス関連のニュースばかりですね。

皆様、十分に手洗い・うがいと共にスマートフォンもしっかり除菌してくださいね!(笑)

 

今回は傷跡修正についての投稿です。以前は口唇周りの傷跡をZ形成術で修正した内容でした。今回はより広範囲な傷跡についてになります。

症例は、15年以上前に交通事故で受傷された、前額部の縦10cm長とU字状の10cm以上の傷跡が痛々しいです。傷跡を綺麗にできないかとご相談に来院されました。

 

なぜに目立つのか?

①傷の長さ、②傷の幅、③可動部位、④傷の方向 などが関係してくるかと思います。特にメスを入れるときに考えることは、部位ごとにRSTL(relax skin tension line)を考慮して切開方向を熟慮します。(形成外科医の独壇場です)

 

そのため、シワの方向と合わない(ずれている)傷は目立つことになります。

 

そこで、このように額の大きな傷を自然のシワと紛れ込ませて、見えづらく(目立ちにくく)する方法として、今回は『W形成術(W-plasty)』を行い、1辺5mm大の小さな三角弁を描きます。

 

更にその1辺をRSTL(額の場合は横ジワです)に合わせることで、傷を細かく断片化させることが可能になり、10cmの1つの大きな傷跡と5mmの複数の小さな傷跡達では、後者がもともとの額のシワに傷が上手に紛れ込んで目立ちづらくなります。

 

Goutos et al.  W-plasty Scar Revisionから引用

 

イラストの通り、傷に対して横線がシワと考えて下さい。そこに、小さい三角弁を左右対称になるように細かくデザインします。

三角弁の1辺を横ジワと合わせて傷跡を断片化させます。

 

局所麻酔を十分にした後に、デザイン通りに皮膚を切除し、縫合する際に緊張がないように皮下を十分に剥離して、細かく真皮縫合と表皮縫合します。

 

 

 

皮膚のシワの性格を熟知することで、ここまで傷跡を目立たなくすることが可能になります!!

術後のテーピングにより、縫合部に緊張がかからないように自宅でのケアをして頂いた方がよりきれいに治ります。

 

今後の方針ですが、創部の成熟化を待ち(最低3か月~6ヵ月)、必要に応じてCO2フラクショナルレーザーを検討します。

 

ケガや手術の傷跡で悩まれている方がいらっしゃると思いますので、是非形成外科専門医が多数在籍している当院にご相談にいらして下さいませ。

 

【施術】瘢痕切除+皮弁形成術(保険施術)

※自費施術の傷跡の場合は、自費治療になる場合があります。

 

施術のリスク・副作用について

・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。

・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは1~2週間程度です。

・術後のむくみや細かな左右差の改善には、3ヶ月程度かかります。

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに2週間程度かかることがあります。

・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。

・手術当日は、洗顔をお控え下さい。

・手術後3日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

・効果には個人差があります。また、部位によってはそれほど改善が実感できないことがあります。

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