美容外科 / 美容皮膚科　東京皮膚科・形成外科

3月も今日で終了ですね。

志村けんさんについては本当に衝撃を受けました。

自分含めて他人事ではないと改めて認識しなくてはなりませんね！！

 

前回の『瞼の手術は奥が深い①』に続いて第2弾です。

今回は30代男性の症例です。

 

主症状は前葉型の眼瞼下垂で、日本人を含めたアジア人に多いタイプの一重瞼です。言い換えれば、日本人の多くは眼瞼下垂の方が多いとも言えます。（当たり前の眼なのでそう思わない、日本人の瞼はそういうものと認識されていると思います。）

 

下に術前の写真がありますが、ご覧の通り、日本に多いタイプの一重瞼です。眼窩脂肪が下垂している状態なので、眼窩脂肪も処理が必要なので、前回と手術プランは同じで以下の３つを行います。

①脂肪の処理

②挙筋機能が弱いので、眼瞼挙筋腱膜の付着位置を置換

③解剖学的に正常な二重を再建

 

 

MRD(margin reflex distance)といって瞳孔中央から上眼瞼縁までの距離のことを言いますが、通常は3mm以上はあった方がいいのですが、右が1mm、左が1.5mmでした。

 

上方視でも頑張って眉毛挙上して瞼を上げているものの、黒目がかなり覆い被さっているので、見上げる時も視野が悪いです。（下に動画を載せてますが、上方視の時に眉毛挙上が先行している動きになっています！）

 

早速デザインから提示します。

切開ラインは7mm、余剰皮膚切除は3mmとしました。

 

埋没法で作る場合だと、もう少し幅をとって糸を埋入してきますが、切開の場合では、無理をして幅を広げると違和感のある『いかにも（整形したような）な二重』になってしまうので、切開の場合は7~8mmで作るのがナチュラルだと思います。

また、皆さんが思う二重幅というのは、この切開線の幅ではなく、あくまでも上眼瞼の皮膚の折り返りで作られる二重幅の『pretarsal show』によります。

これは、皮膚切除の幅で調整を取りますが、術後に必ず眉毛位置が変化するので、術前評価では眉毛位置の変化量までは判断が難しいのが実際です。(-_-;)

 

 

抜糸は術後7日目で行っています。

まだまだ、腫れは目立ちますが、直後から視野が広くなったのを実感されます。

 

動画のように、術前は上方視の時に眉毛挙上が先行していましたが、術直後からは、挙筋機能（眼を開ける動き）が改善したために、眼瞼挙筋の動きの最後に眉毛挙上が補助的に連動する動きにも変化が見られます。

 

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術直後ですが、上方視の際の黒目の見え方が歴然です。さらに、挙筋機能が改善しているので、眉毛位置が写真では動いていませんね。

 

今後の経過は追ってご報告いたします。

また、次回は、自分の行っている手術内容についても触れてみたいと思います。

 

【施術内容・手術時間】

眼瞼下垂手術（挙筋前転法）、保険適応、両目で約1時間30分

【施術のリスク・副作用について】

・麻酔薬にて、アレルギー反応を起こす場合があります。その場合は適切な処置を行います。

・腫れは個人差がありますが、手術直後から少し腫れがあり、翌日がピークで徐々に引いていきます。目立つほどの大きな腫れは１～２週間程度です。

・術後のむくみや細かな左右差の改善には、３ヶ月程度かかります。

・内出血が起こった場合は完全にひくまでに２週間程度かかることがあります。

・感染予防のため、抗生剤を内服していただきます。

・手術当日は、洗顔をお控え下さい。

・手術後３日間は、飲酒・激しい運動・サウナ・入浴など、血流が良くなることはお控え下さい。

・ケロイド体質の方は傷跡が残りやすい場合があります。

・効果には個人差があります。また、部位によってはそれほど改善が実感できないことがあります。

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